無地ニットでは少し物足りない方へ|YASHIKI Yunagi Knitの編み柄・サイズ感・着こなし

福井のセレクトショップ「DISCOVERY(ディスカバリー)」の水尻です。

秋冬になるとニットを着る機会は増えますが、選んでいると意外と難しいのが「どこまでデザインを入れるか」です。

無地なら間違いなく使いやすい。

でも、シャツやTシャツの上から一枚着た時に、少し物足りなく感じることもあります。

かといって、大きな柄や分かりやすいグラフィックが入ると、今度はパンツやアウターまで考えなければいけない。

今回ご紹介するYASHIKIの「Yunagi Knit」は、その間にあるニットです。

近くで見ると、かなり凝っています。

身頃、脇、袖で編み柄を変え、さらに2色の糸を使って奥行きまで作っている。

それでも実際に着ると、「柄物のニットを着ている」という強さより、一枚のニットに自然な表情があるように見えます。

無地の使いやすさは残したい。

でも、いつものニットとは少し違うものを着たい。

自分がこの商品で一番いいと思ったのは、そのちょうどいい距離感です。


YASHIKI/ヤシキ
NO.YSK-26AW-KN03
Yunagi Knit/夕凪クルーネックニット
36,850円(税込)

YASHIKI/Yunagi Knit

いろいろな編み柄を使っているのに、着ると一つの風景に見えるニットです。

YASHIKIのニットは、単純に模様を入れてデザインするのではなく、日本の風景や記憶を編み柄へ置き換えているところが面白いブランドです。

今回のテーマは「夕凪」。

日本海へ沈んでいく夕日が、空と海をゆっくり染めていく情景を一着のニットで表現しています。

袖と身頃脇のワッフル編みは、人影が少なくなった静かな砂浜。

肩から裾へ続く柄は、夕日から伸びる光と赤く染まる雲。

そして身頃中央には、穏やかな海が夕焼けへ変わっていく様子を表した柄が入っています。

文章だけ読むと、かなりデザイン性の強いニットに感じるかもしれません。

でも全体写真を見ると、それぞれの編み柄がバラバラには見えません。

自分が仕入れで惹かれたのも、このまとまり方です。

「意味を知らなくても普通に格好いい。知ると、もう一度近くで見たくなる」

YASHIKIのニットは、この順番で楽しめるところがいいと思います。

近くで見るとかなり複雑。でも、この凹凸が遠目では自然な奥行きになります。

このニットは、ぜひ少し近づいて見てほしいです。

編み方を切り替えることで、同じ色の中でも凹凸や線の方向が変わっています。

単純なプリント柄との大きな違いは、色だけではなく、生地そのものに立体感が生まれること。

さらに表目側と裏目側で異なる糸を使うプレーティング編みを採用しています。

2色の糸で編むことで、編み柄にもう一段奥行きが加わっています。

つまり、柄を「載せている」のではありません。

糸と編み方そのもので表情を作っています。

これだけ手の込んだことをしていても、着こなしが難しくならないのが大切なところです。

遠くから見れば細かな柄が一つの表情としてなじむので、無地のパンツを合わせるだけでも十分。

派手な柄物は苦手だけれど、無地だけでは少し寂しいという方には、このくらいの見え方が取り入れやすいと思います。

袖口まで見ると、YASHIKIが「柄を増やしているだけではない」ことが分かります。

Yunagi Knitは、大きな部分だけでデザインが終わっていません。

袖口には、YASHIKIのブランドアイコンである「矢絣」柄が入っています。

こういう細かな部分は、着ている本人にはいつも見えるわけではありません。

だからこそ、自分は結構大事だと思っています。

一目でブランドが分かる大きなロゴを付けるのではなく、編みの中へブランドらしさを残す。

この服全体の考え方にも合っています。

10ゲージ・6本取りで編み立てられたコットン100%の日本製ニットなので、見る場所によって編み地の表情が変わります。

一枚を遠くから見た時と、手元まで近づいて見た時で楽しみ方が違う。

価格だけを見れば決して安いニットではありません。

ただ、こうした編みの作り込みまで含めて見ると、どこに手間が掛かっているのかは分かりやすい商品です。

MIX GRAYとBLACKでは、「柄を見せるか、シルエットを見せるか」が変わります。

カラーはMIX GRAYとBLACKの2色です。

MIX GRAYは、編み柄の切り替えや立体感が比較的分かりやすいカラー。

このニットならではの表情を楽しみたい方なら、まず目に入るのはこちらだと思います。

一方のBLACKは、柄のコントラストが落ち着き、全体がもう少し静かに見えます。

編み柄がなくなるわけではありません。

近づけばしっかり分かりますが、遠目ではシルエットや生地の陰影として見えやすくなります。

「YASHIKIらしい編みを楽しみたい」ならMIX GRAY。

「デザインは欲しいけれど、もう少し控えめに着たい」ならBLACK。

同じニットでも、選ぶ色で見せ方を変えられます。

普段BLACKのパンツが多い方ならMIX GRAYで上半身に表情を加えるのもいいですし、色のあるパンツや小物を使う方ならBLACKで全体を受け止めるのも使いやすいと思います。

170cm・60kgでサイズ1。身幅はゆったりしていますが、着丈が長すぎないので収まりがいい。

170cm・60kgでMIX GRAYのサイズ1を着用しています。

サイズ1の実寸は、肩幅65cm、身幅60.5cm、着丈65.5cm、袖丈53cm。

肩幅65cmなので、肩はしっかり落ちます。

身幅にも余裕があり、身体へぴったり沿わせて着るニットではありません。

それでも画像を見ると、オーバーサイズのニットをただ大きく着ている感じには見えません。

ポイントは着丈です。

身幅60.5cmに対して着丈65.5cm。

横には余裕を作りながら、縦へ必要以上に長くしていません。

さらに裾のリブで収まりが付くため、身頃に生まれるゆとりをそのまま下へ落とさず、一度腰まわりで受け止めています。

自分ならサイズ1。

リラックス感は欲しいけれど、ニットの着丈まで長く見せたくない自分には、このバランスが一番自然です。

サイズ1に白いワイドパンツを合わせると、編み柄の強さがかなり柔らかく見えます。

MIX GRAYは編み柄が分かりやすいカラーなので、「合わせるパンツが難しそう」と感じる方もいるかもしれません。

でも、画像のように白や生成り系のパンツを合わせると、かなり自然です。

ニットの中にあるグレーの濃淡と、パンツの明るさがつながることで、上半身の柄だけが浮いて見えません。

しかもパンツはワイドシルエット。

トップスにも身幅があるので、上下のボリューム感が自然につながっています。

ここで大切なのは、柄のあるニットだからといって、パンツまで細くして上半身だけを主役にする必要はないということです。

Yunagi Knitは着丈がコンパクトなので、ワイドパンツを合わせても全身がずるっと長く見えにくい。

普段ワイドパンツをよく穿く方なら、このサイズ1の着丈はかなり使いやすいと思います。

柄を着ることを難しく考えず、パンツの色数を抑える。

まずはこのくらいの合わせ方から入ると失敗しにくいです。

サイズ2は着丈を大きく伸ばすというより、肩と身幅の余白をもう一段楽しむサイズです。

同じ170cm・60kgで、MIX GRAYのサイズ2も着用しています。

サイズ2は、肩幅67cm、身幅63.5cm、着丈66.5cm、袖丈55cm。

サイズ1と比べると、肩幅は2cm、身幅は3cm、袖丈は2cm大きくなります。

一方、着丈の差は1cmだけです。

ここがサイズ選びでは重要です。

サイズを2へ上げても、単純に丈が長くなってだらっとするわけではありません。

変化が出やすいのは、肩から身頃にかけての余白です。

サイズ1よりもさらに力の抜けたシルエットになり、画像のような太めのパンツともボリュームをそろえやすくなります。

170cm・60kgの自分なら1を選びますが、もう少しトップスに存在感を出したい方や、普段かなり太いパンツを穿く方なら2も十分ありです。

「1がジャスト、2が大きすぎる」という分け方ではなく、どこまで余白を見せたいかで選んでください。

BLACKなら、首元に少し色を加えるだけでもニットの印象を変えられます。

BLACKは、MIX GRAYより編み柄の主張が控えめです。

その分、スタイリング側で少し遊びやすくなります。

画像では、首元に色のあるアイテムを加え、パンツにはグレーを合わせています。

ニットとパンツをモノトーンでつなげながら、顔まわりだけに色を入れる。

こうするとBLACKの落ち着きを残しつつ、全身が暗くなりすぎません。

もちろん、ここまで小物を加えなくても大丈夫です。

白いインナーを首元や裾から少し見せるだけでも、BLACKの面積が分かれて軽く見えます。

このニット自体にすでに編み柄があるので、スタイリングでさらに柄を足す必要はありません。

むしろBLACKなら、

黒いニット。

グレーのパンツ。

少しだけ白や色を見せる。

そのくらいでも十分です。

MIX GRAYはニットそのものの柄を楽しむ。

BLACKは編みの立体感を残しながら、合わせる服や小物で印象を変える。

色によってスタイリングの入口が違うのも、このニットの面白いところです。

まとめ|無地の使いやすさは残したまま、ニットそのものを楽しみたい方へ。

YASHIKIの「Yunagi Knit」は、単純な柄物ニットではありません。

夕暮れの砂浜、夕日から伸びる光、赤く染まる雲、穏やかな海。

それぞれを違う編み柄へ置き換え、さらに2色の糸を使ったプレーティング編みで、一着の中に奥行きを作っています。

これだけ説明すると、かなり個性的な服に聞こえると思います。

でも、実際に着た時には不思議なくらい普通のパンツへ合わせやすい。

自分がこのニットを評価しているのは、そこです。

作り込んでいることを前面へ押し出すのではなく、まず洋服として着やすい。

その後で近くを見ると、「ここまでやっていたのか」と分かる。

無地では少し物足りなくなってきたけれど、大きなロゴや分かりやすい柄物までは必要ない方には、とてもYASHIKIらしい選択肢だと思います。

170cm・60kgの自分なら、ゆとりと着丈のバランスからサイズ1。

もう少し肩と身幅に余白を作り、太いパンツとボリュームをそろえたいならサイズ2も候補になります。

一方、身体に沿う細身のニットや、できるだけ装飾のない完全な無地を求めている方には、この編み柄やドロップショルダーが少し強く感じるかもしれません。

MIX GRAYとBLACKでも見え方はかなり違います。

どちらを選ぶかは、柄をどのくらい見せたいかまで考えてみてください。

商品ページでは、まずMIX GRAYの編み柄を近くで確認してから、170cm・60kgでサイズ1と2を着た全身写真を見比べてみてください。着丈差は1cmですが、肩幅と身幅の違いで全体の余白は変わります。普段よく穿くパンツの太さまで思い浮かべると、自分ならどちらのサイズを選ぶか判断しやすいと思います。

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ちょっとしたひとりごと

9月に入って、店内は一気に秋冬モードになってきました。

外はまだまだ暑いですけどね(笑)。

それでも新作がまとまって入ってくるこの時期は、やっぱり楽しいです。

箱を開けて、

「これ良かったな」

「これは早く着てもらいたいな」

なんて思いながら、店頭に並べています。

毎年のことですが、秋冬物が揃い始めるとお店の雰囲気もガラッと変わります。

まだ半袖を着ている時期に、ニットやアウターを見ているという、この季節感のズレも洋服屋ならではですね(笑)。

今すぐ着るものを探すのももちろんですが、

「今年はどんな感じなんだろう」

くらいの気持ちで、ぜひ気軽に見に来てください。

ちなみに今週末の土日はお休みとなります。

通常は火曜日と第三土日がお休みですが、今月は第三土日が大型連休と重なるため、そちらは営業する予定です。

少し変則的な営業になりますので、ご来店前に営業日だけ確認していただけると助かります。

秋冬はここからどんどん入荷が続きます。

自分も毎日のように段ボールを開けながら、しばらくは新作ラッシュを楽しみたいと思います(笑)。

では本日もお待ちしております。

DISCOVERY 水尻

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